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或る旅館で見た夢【怖い話・短編】4-3

(その笑い声は壁の向こうのものかこっちのものか?「或る旅館で見た夢【怖い話・短編】4-2」の続き。)



隣の部屋の声は、クレームを入れる程ではない。むしろ、幽霊を意識してしまう静けさに比べたら、良いかもしれない。目を閉じていると、身体はじわりと疲れや眠気を思い出して心地よくなってきた。意識はぼんやりとしてくる。

おそらくは眠りに落ちた、その時のこと。先程の女の笑い声が、いきなり耳元で響いた。俺はびっくりして、上半身が飛び起きてしまった。

でも起きてみると、先程と状況の変わらない暗い部屋であることに気付く。俺一人いるだけである。相変わらず壁を隔てた隣の部屋では、女と男の笑い声話し声は続いている。

スマホを手に取ると、深夜の3時だった。1時間程寝たようだ。



また身体を横にして、目を閉じた。やがてまた、うとうとしてきた。おそらくは眠りに落ちた。

だがその時。男の低い声が耳元で響いて、びっくりして上半身が起きた。

だがやはり、先程と同じだった。暗い部屋にAさんが一人いるだけである。

スマホを見ると、深夜の4時である1時間程経っている。相変わらず隣の部屋では、笑い声や話し声は続いている。


従業員に言われて驚いたこと|或る旅館で見た夢【怖い話・短編】4-4」へ。



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