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或る警備員のミス【怖い話・短編】4-4

(許してくれるかもしれないけど自ら出禁とする。「或る警備員のミス【怖い話・短編】4-3」の続き。)



警備リーダーはまだ何かしゃべっているものの、俺の耳にはもう意味を成しては入ってこない。警備リーダーの表情だ口調だに合わせて、適当に愛想笑いしていた。

愛想笑いをしつつ、俺は頭を切り替えた。残りの勤務時間は、ひたすら所長に出くわさないよう気を付けようと。先程クレーン車横で挨拶したところからして、所長はそれ程気にしてはいないみたいだが、俺の気持ちは申し訳なさや後悔やでもわざわざ謝るのも変だし、何となく折れてしまった。

結局その日の勤務では、所長を遠目に見ることは有っても、接近することは無かった。退勤時も気を抜かずに、通路の角毎にそうっと先を見通して、所長は歩いていないことを確認しつつ進んだ。現場を出た時には、解放感を感じた。よほど緊張していたのだと実感した。

後日、警備会社から、この現場へのヘルプ要請があった。俺は断った。


以上「或る警備員のミス【怖い話・短編】」。



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