浮かれ男の学祭【怖い話・短編】4-2
(彼女の後姿を追いかけてたどり着いた場所とは…「浮かれ男の学祭【怖い話・短編】4-1」の続き。)
人でごった返す学祭中のキャンパスを、右に左に避けつつ、俺は彼女を追う。その内に、キャンパスの端の方にまで来てしまった。この辺までくると人も疎らだ。彼女は、喫煙スペースを横切って、キャンパスの端でひっそりと佇む小さな棟に入っていった。
俺も、彼女に続いて校舎へと入った。俺が校舎に入った時、彼女は10m程先、静かな長い廊下を固いハイヒールでコツコツと反響させながら歩いていた。彼女以外、見える範囲に人はいない。この棟は、学祭と縁遠いと感じる。楽し気に盛り上がる学祭の音楽は、関係の無いことのように、壁や窓越しに遠くに聞こえる。彼女や俺の歩く音の方が目立つ。
このような人目の少ない場所でのナンパとなると、俺としては周囲の目が無いのでやり易い。でも、彼女にとっては、知らない男と二人っきりで怖いかもしれない。
そんなことを考えながら歩いていると、彼女は、廊下に並ぶドアたちの内の一つの前で立ち止まって正対してガチャリと押して入っていった。その時に見えるはずだった彼女の横顔は長い前髪で見えず、ドアノブに添えられた手は手袋をしていた。
「彼女と二人っきり!ナンパは成功するかな?いや、それどころではない?|浮かれ男の学祭【怖い話・短編】4-3」へ。
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人でごった返す学祭中のキャンパスを、右に左に避けつつ、俺は彼女を追う。その内に、キャンパスの端の方にまで来てしまった。この辺までくると人も疎らだ。彼女は、喫煙スペースを横切って、キャンパスの端でひっそりと佇む小さな棟に入っていった。
俺も、彼女に続いて校舎へと入った。俺が校舎に入った時、彼女は10m程先、静かな長い廊下を固いハイヒールでコツコツと反響させながら歩いていた。彼女以外、見える範囲に人はいない。この棟は、学祭と縁遠いと感じる。楽し気に盛り上がる学祭の音楽は、関係の無いことのように、壁や窓越しに遠くに聞こえる。彼女や俺の歩く音の方が目立つ。
このような人目の少ない場所でのナンパとなると、俺としては周囲の目が無いのでやり易い。でも、彼女にとっては、知らない男と二人っきりで怖いかもしれない。
そんなことを考えながら歩いていると、彼女は、廊下に並ぶドアたちの内の一つの前で立ち止まって正対してガチャリと押して入っていった。その時に見えるはずだった彼女の横顔は長い前髪で見えず、ドアノブに添えられた手は手袋をしていた。
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