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職業も自治体も無い?縄文時代【歴史に怪奇&ロマン】

今回は、遺跡探訪等のきっかけになればと、縄文時代をざっくりと眺めます



縄文時代は、日本史特有の時代区分で、最古の時代。実に、1万5000年以上も前。


また唯一、大規模米農業を行っていない時代。そのせいで、大規模米農業を行っている弥生時代以降~現代までなら普通に有るものも有りません。

例えば、職業に分かれていることや市町村都道府県国等広域政治行政組織が有ることなどなど。


その一方で、縄文人の生活や制作物の痕跡等から、現代人と変わらない面も、ふと垣間見えたり。


太古縄文人と現代人の間に有る違いと共通点から、縄文人から学ぶべきことも現代人の誇るべきものも見えてくるかもしれません。

また、「勉強しよう」なんて構えなくても、太古へのロマンや怪奇を感じるだけでも、良い気分転換にもなりますね。



第一章で、縄文時代の年代。

第二章で、縄文時代と一つ前の旧石器時代の違い、縄文時代と一つ次の弥生時代の違い。

第三章で、縄文時代の暮らしを地域別と時代別で。

第四章で、縄文時代が世界的に見て特殊とされる面について。

第五章で、縄文時代のはじまりと終わりに影響を与えたとされる環境変動について。


本記事の分量は、文庫本換算5ページ程です。以下目次をタップ・クリックでジャンプできるので、しおり代わりにどうぞ。(他記事は「本blog全記事の一覧」へ。)





第一章:縄文時代はいつのこと?


縄文時代(じょうもんじだい)は、現代から約17000年前~約2000年前までの、約15000年間。

また、「縄文時代」という時代区分は、世界史共通の時代区分ではなくて日本史特有の時代区分です。そして、日本史特有の時代区分で最古です。

古さにこそ怪奇やロマンを見出す方にとっては、「最古」ということばに想像を巡らせてしまうところですね。



次に、縄文時代とその前後の時代を比較します。それによって、縄文時代の特徴を掴みましょう。


第二章:縄文時代と一つ前後の時代との違い


①縄文時代と旧石器時代の違い|第二章:縄文時代と一つ前後の時代との違い


縄文時代の一つ前の時代は、旧石器時代です。

上に、「縄文時代は最古」と書きましたが、あくまで日本史特有の時代区分に限ってのことです。旧石器時代というのは世界史に共通の時代区分です。



旧石器時代も非常に長く、年代や地域によってさまざまな特徴があります。本記事では「日本列島の旧石器時代」に限定して見ていきます。



旧石器時代は、縄文時代に比べて寒冷な時代です。

寒冷な時代の特徴の一つは、温暖な時代に比べて植物が育ちにくいこと。

植物が育ちにくいと、人の食べ物の量も減少します。例えば、人の食糧となる木の実が実りにくいし、人の狩猟対象である草食獣も減少してしまいます(草食獣が食糧とする植物が育ちにくいので)。



食べ物の量が少ないと、定住することは難しくなって、食糧探しの旅をくり返す傾向にあります。

ここが縄文時代と旧石器時代の大きな違いの一つです。温暖な縄文時代では、定住する例が増えるのです。

旧石器時代の遺跡と縄文時代の遺跡を比べると、縄文時代の遺跡では、竪穴住居等定住を示すものが増えていきます。中には、数百年以上住み続けられた痕跡の有る集落遺跡も発掘されています。



定住以外で、旧石器時代と縄文時代の大きな違いは、石器の精密さです。

旧石器時代の石器よりも縄文時代の石器の方がより精密です。弓矢の先等細かいもの、石を打ち掻いただけでなく鋭利に磨いたものなどが増えていきます。

ちなみに、石を打ち掻いた石器を打製石器といい、磨いた石器を磨製石器といいます。



石器以外にも、縄文時代には、動物の骨を削りだした釣り針や多種多様の土器などなど、高度な技能や知識を必要とするものも増えていきます。



以上、縄文時代と旧石器時代の比較でした。ざっくりおさらいします。

・定住しない旧石器時代と定住の縄文時代。

・打製石器中心の旧石器時代と磨製石器の出現する縄文時代。

・釣り針や土器などなど、高度な技能・高度な知識を必要とするものが増えていく縄文時代。



旧石器時代の日本列島。人が食糧を求めてうろうろしていた時代が有ったなんて、彼ら彼女らは、現代人には無い或いは現代人は用いないため退化してしまった感覚や能力の持ち主だったのでしょうね。

怪奇趣味の方なら、超能力なんて想像してしまうかもしれません。まあ、飛躍しすぎの気もしますけどね。



次に、縄文時代と弥生時代(縄文時代の次の時代)の比較です。


②縄文時代と弥生時代の違い|第二章:縄文時代と一つ前後の時代との違い


縄文時代と弥生時代の大きな違いの一つは、農業をする社会かしない社会かにあります。

縄文時代以前の遺跡と違って、弥生時代以降の遺跡からは、水田跡、農業道具等が発掘される例が増えていきます。



旧石器時代も縄文時代も農業を行なっていない社会。弥生時代のみならず、以降現代に至るまでの全時代が農業を行う社会です。



農業の開始によって、社会は大変革します。


例えば職業。

現代では多種多様の職業が有りますが、それは農業がきっかけとされます。

狩猟・採集社会では職業は無くて、みんなで狩猟や子育てをしていたとされます。

また、職業分化によって、現代で当たり前の、「年々理科学技術経済等各分野の進歩」の一因とされます。


例えば食糧備蓄。

現代では、有り難いことに、食糧備蓄はどこかに有ります。スーパーや貨幣経済が成立するのも、食糧に余剰が有ることも一因ですね。また、食糧余剰を一因に、大規模農業以降の社会では、人口が急激に増加しています。

一方の狩猟・採集時代。大規模農業をしていないため、「努力するほどにたくさん食糧を得られる」「食べきれずに余る」概念は無くて、自然に有るだけの食糧で賄える人口に落ち着いて、食糧余剰は誰にも無くてプラマイゼロだったとされます(時期によっては大漁の魚が到来して保存することも有るが魚の来ない時期も有って一年単位でみればプラマイゼロ等)。


例えば政治行政。

現代では、町内会が集まって市町村、市町村が集まって都道府県、都道府県が集まって国となる等、階層的で広域的な政治行政が成されています。これは、農業がきっかけで起こったこととされます。

一方の狩猟・採集社会。町内会程の集団で生活をするのは同じでも、町内会がまとまって市町村となる等は基本的に無いとされます。そんなこんな、日本列島中でまとまって国を形成することも、無いとされます。

あくまでも本記事筆者の思うこと。歴史に名の残った縄文時代の有名人って、知る限りいません。みんなで狩りをしてみんなで子育てをする時代。広域政治行政の無い時代。特定少数者のみが就けて国中の者から注目を浴びる職業も無いため、取り立てて目立つ者はいないのかもしれませんね。縄文時代から続くような昔話に超人的な存在や神々のような存在も有るが、史実としても、職業的功績で有名になったものでも無いですね。



その他にも、農業開始による社会の大変革は多々あります。詳細は「米農業で社会は大変遷?弥生時代1【歴史に怪奇&ロマン】」で見ていきます。



弥生時代を思うと、多少は現代人に近づいた感じも有りますね。




以上、旧石器時代と弥生時代についてみたきました。その上で、次に縄文時代の暮らしを見ていきます。


第四章:縄文時代の暮らし


①地域別|第四章:縄文時代の暮らし


上にも見たように、縄文時代は約13000年も続いています。

その間に、暮らしの様子は大きく変わります。

また、地域によっても、暮らしの様子は違います。


例えば、地域別に食糧をクローズアップしてみます。

・ブナ、ナラ、クリ、トチノキといった、落葉性堅果類を主食とした地域。

・トド、アザラシ、オットセイ等を捕獲する寒流系地域。

・カツオ、マグロ、サメ、イルカ等を捕獲する暖流優勢地域。

・カモシカ、イノシシ、ニホンジカ等陸上生物の狩猟を行う地域。

・以上のダブる地域。

食糧は地域によってさまざまだとわかります。



以上のように食糧に違いが有るということは、食糧を得るための道具にも違い等が有ります。それも一因に、地域によって、狩猟・採集に用いられる石器の種類や形は大きな違いだってあります。



それから、陸上動物の狩猟では特にイヌが重要な役割を果たしていたとされます。縄文時代の集落遺跡から、イヌを飼っていた形跡が有る場合もあります。



また、縄文時代には祭りも行われていたとされますが、祭りに用いられる土器の姿も、地域によって違いがあります。

あくまで本記事筆者の想像ですが、祭りでは食糧に感謝することもあったかもしれませんから、食糧が違えば祭りの内容も違って当然なのかもしれません。


②時代別|第四章:縄文時代の暮らし


時代別に縄文土器や石器等の傾向が表れています。その傾向から、縄文時代を6期に区分します。

・1万7000年前~1万1500年前を草創期。

・1万1500年前~7000年前を早期。

・7000年前~5500年前を前期。

・5500年前~4400年前を中期。

・4400年前~3200年前を後期。

・3200年前~2400年前を晩期。


第四章:縄文時代は世界的に見て特殊?


縄文時代は、世界的に見て特殊であるとする説もあります。

狩猟・採集社会では職業は起こりにくいため、「専門家」は存在しません(詳細は「米農業で社会は大変遷?弥生時代1【歴史に怪奇&ロマン】の第五章」で)。例えば、縄文時代には、弥生時代以降のように土器の専門家はいません。よって、縄文土器は、狩猟・採集や子育ての合間に作られたものとされます。

ところが。それにしては、制作方法や芸術性や技能等レベルが高すぎるのです。世界の考古学者の中には、縄文土器を見て、縄文時代に農業は行われていたはずと思った人もいるくらいだそうです。

なぜ縄文土器は高度なものとなり得たのか?

土器作りに専念する人の代わりに、狩猟・採集をしてあげる人がいた或いは集落ぐるみそんな体制だった、とする説も有ります。

また、そのような狩猟・採集の肩代わりが可能だったのは、日本列島が山の幸海の幸に恵まれていたからだといわれています。

大規模農業をすれば食糧が大規模に余る傾向にあるために、食糧のことは農業従事者に任せる代わりに鉄を作るとか何か専門的なことをする分業体制になりやすいです。でも、自然に有るだけの食糧で生きる狩猟・採集社会で分業体制を実現できるのは、日本列島の豊かな自然の恩恵とする説も有ります。


第七章:縄文時代は温暖化ではじまって寒冷化で終わる?


旧石器時代の終わり頃、寒冷に向かっていた気候は転じて、上昇に向かいます。

その後、縄文時代前期にかけて温暖化は続きます(短期的に寒冷に向かう時期もあり)。

その後、縄文時代後期である約3500年前から、寒冷化に転じます。



上に書いたように、寒冷化すると自然に有る植物は減少して、食糧は減少します。まして、自然に有る食糧で生きる狩猟・採集社会ではその影響は大きいのです。

寒冷化に転じた縄文時代の終わり頃、食糧減少を一因に人口は減少します。

そして、食糧減少を補うために、農業をはじめたとする説も有ります。


まとめ


以上、縄文時代の概要を見てきました。

現代社会とは、大きな違いも見て取れたと思います。

そこから、現代人が縄文人に学ぶべきこと、現代人が縄文人に誇れるもの、さまざまに有ると思います。

また、本記事が縄文時代に関する書籍や遺跡に触れるきっかけになればばとも思います。


最後に、縄文時代おすすめ書籍をご紹介。『縄文の思考』(ちくま新書)です。

縄文時代の遺跡から、縄文人の思考について研究した書籍です。

農業をしている社会でありハイテク社会でもある現代。狩猟・採集社会である縄文時代。我々と縄文人とで、どのような精神の違いがあるのだろう?我々と似ている面にも違う面にも触れられて、飽きない書籍だと思います。

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以上「職業も自治体も無い?縄文時代【歴史に怪奇&ロマン】」。次の弥生時代は「米農業で社会は大変遷?弥生時代1【歴史に怪奇&ロマン】」へ。



※本記事は科学記事・学術記事ではありません。

※本記事は、本記事作成時の情報を本記事作成者の裁量で用いて作成しており、正確性の保証は有りません。また、最新情報は変化している可能性も有ります。

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