fc2ブログ

怪奇話・怪談・怖い話等

4-1序|冬の冷たい視線【怖い話・短編】

(本話の分量は文庫本換算1ページ程です。)



Hさんは、正社員塾講師。生徒を合格に導いた実績のみならず、日常の態度についても生徒や保護者から評判は良いなどなど、バイト塾講師たちのお手本にも位置づけられていた。

現在は冬前。一年の内で最も忙しい時期でもあって、Hさんの実力が発揮されることも期待されていた。それなのに…。その日、やっちまったのだ…。

この時期には例年のことで、冬期講習を宣伝するポスターやら合格実績をアピールするポスター等を、駅前で配布する。

ポスターは、ポスターの種類毎に段ボールに分けて、作成業者から塾に送られてくる。或る段ボールには冬期講習の受講者受付中のポスターのみで、違う段ボールに合格実績のポスターのみといった具合に、4種類の段ボールが今年も届いた。

でも、配布する時には、4種類を1セットにして1つのビニールに詰めて配布する。よって、各段ボールから1枚ずつ取り出して1つのビニールに詰める作業が必要なのだ。

このビニール詰めの作業をするのはバイト講師だが、この作業にHさんは絡んでやらかした。



その日の空き時間、大学生バイト講師男女5人は、事務室でその作業を行っていた。

やり方は、流れ作業。事務室のパイプ机に段ボール1、段ボール2、段ボール3、段ボール4、ビニールの束を並べておく。そして、段ボール1から順に2、3、4、ビニールそれぞれの前を歩きつつポスターを1枚取っては上に重ねて、最後にビニールに詰めて1セットを作る。

同じ作業、しかも単純動作の繰り返しなので、みんな仕事は覚えられた。それ程難しい仕事ではないものの、立ちっぱなし歩きっぱなしであって、一時間程続けるとみんな腰が痛いだの指が痛いだの言いだした。

とは言え、まだ段ボールにはちらしが10cm以上の厚みをもって残っている。果たしてあと何分要するのだろうかと、精神的疲労も重くのしかかる。


4-2バイト塾講師たちの機転|冬の冷たい視線【怖い話・短編】」へ。



※本ブログの記事は全て著作権によって保護されておりますこと、並びに転載を禁止させていただいておりますことへのご理解をお願い申し上げます。


このエントリーをはてなブックマークに追加

  


◯関連
怪奇話・怪談・怖い話一覧








スポンサーサイト