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1歩1円仕事【怪奇話】

(文庫本換算1P程。SF怪奇)



2XXX年。Aさんは、健康器具食品メーカーのバイト募集で、1歩1円の仕事をはじめた。

腕に、紙のような長方形でペラペラの電子装置を巻いて、歩く。1歩毎に1円を貰える。

Aさんは、特にやりたい仕事も無いため、歩くだけでお金を貰えるというストレス無い仕事は良い。1日に20000歩歩いていた。


報酬は、毎月々、きちんと振り込まれる。

ところで、なぜ、1歩歩くと1円を貰えるのか?Aさんは、会社から、エネルギー消費と栄養状況のモニタリング等と聞かされている。


そんな或る日。会社が、倫理問題で訴えられた。Aさんは、ネットニュースで知った。

どうやら、この会社がビジネスで利用している機械に問題が有るようだ。摂取した食物エネルギーの転送をする装置だそう。この装置を用いたなら、金持ちたちが、太らないからと金にものを言わせて、無駄に贅沢な食事をするではないかというのだ。

Aさんは、はっとした。俺の仕事とエネルギー転送と関係が有る?俺が1歩歩くと、金にものを言わせて高級食をしまくっている者のカロリー消費を、肩代わりしていた?

Aさんは、Aさんを管理している上司に電話した、「ネットニュースは本当か?」と。

上司は、「それは断じて無い」と言い、「誤解を解くためにも、次の金曜日に、本社に来てほしい」と続けた。


Aさんが本社に行くと、上司が現れて、治験中のDさん(Aさんは面識無い)のもとに、案内するという。

連れて来られたのは、トイレやTV等生活に必要なものはそろっている一室。部屋中央のテーブルに、山のように青いものは積まれていて、一人の男(おそらくDさんだろう)は、ひたすら食べ続けている。

上司は説明する、

「我々は金にものを言わせて贅沢しまくっている者を甘やかすために、Aさんの巻いている装置を開発したのではない。世界の食糧危機を回避するための緊急食糧(Dさんの周囲の青いもの)の治験に伴って、その装置を開発したのだ。

具体的には、緊急食糧をひたすら食べる実験が必要なのだ。でも、エネルギーについては余り過ぎるために、消費してもらう必要が有ったのだ。

実は、Aさん以外にも10名くらい1歩1円の仕事をして、Dさんのエネルギーを消費している」と。

Aさんは尋ねた「あの青いものって何ですか?」。上司は言う「それは言えない」と。

さらに尋ねた「金にものを言わせて高級食をしまくる人に向けたビジネスは、今後するのでしょうか?」。上司は言う「それは未定」と。

Aさんは、正しいものは分からない。ただ食糧危機の回避は重要だ。今日も歩かねば。


以上「1歩1円仕事【怪奇話】」。



※本小説はフィクションであって、実際にある土地名や団体等とは一切関係ありません。

※本ブログの記事は全て著作権によって保護されておりますことへのご理解をお願い申し上げます。


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