廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】
この話は、フリーライターのEさんが体験した話で、取材のアポを取るための電話からはじまる、心霊系の怖い話です。
(分量は文庫本換算2ページ程です。他の話は「本blog全記事の一覧」へ。)
求人情報社aは、強みを持つ中小零細企業を掘り起こす企画をスタートさせた。
その企画の責任者となったDさんは、いくつかの企業をピックアップした。
その中に、金型プレス技術に強みを持つ、町工場bは有った。
それで、町工場bへの取材を、フリーライターのEさんに依頼した。
依頼を受けたフリーライターEさんは、町工場bに電話して、訪問取材のための許可を取った。
電話に対応をしてくれたのは、町工場bの社長だった。
社長は、「社長自ら電話に出たり、職人として工場で作業したり、大変だよ」なんて、電話の向こうで笑っていた。
町工場b社長との電話を切ったフリーライターEさんは、責任者Dさんに、取材日等を報告した。
その後、フリーライターEさんは、町工場bについてネット上の情報を集めた。
公式ホームページは無かった。タウン情報サイトに町工場bの情報が掲載されていて、そこに、「倒産した」という文も見つけた。
でも先程、電話はつながったのだ。
タウン情報サイトをガセだと判断したし、Dさんに倒産したという噂が有ると伝えると、「仮に倒産していても特許とかで面白い情報が得られそうな会社なので取材や調査してね」と言われた。
取材の日。
フリーライターEさんは、責任者Dさんからメールで送られた町工場b住所をスマホで検索して、表示された地図を頼りに、駅から歩いていた。
繁華街の駅から数駅外れた住宅街の駅に降りて、住宅街を抜けて、家々も疎らになってきた辺りで中型スーパーくらいの大きさの工場らしき建物は見えてきた。
ここだな。
フリーライターEさんは、早歩きに敷地入口に立った。
だが、敷地内から音はしない。
敷地内に足を踏み入れる。敷地の大半を占める作業場らしき箱型の建物に入って見る。
そこにも、誰もいない。並んでいる制作機械たちはみんな沈黙している。
工場としては、寂しい風景だ。
フリーライターEさんは、不審に思いつつ、責任者Dさんに電話する。
出てきた責任者Dさんに、「これから取材をしようと思うんですけど、町工場bは稼働してないし、誰もいないんですけど」と言う。
責任者Dさんは、「やっぱり…」と言って後、今日までに得た町工場bに関する奇妙な情報をEさんに伝える。
「ネットの情報の中に、「町工場bは倒産した」なんてものもあった。でも電話をすると、社長さんが出てきた。倒産情報はガセだと思ったし、仮に倒産していても特許関係で面白い情報の有りそうな会社なのでEさんに取材・調査を依頼した。
一方で、倒産したという情報も気になったから、調べてみた。
町工場bに融資していた金融機関の一つに、うちが求人情報を担当している信金も有った。丁度仕事で接する機会も有ったので、尋ねてみた。
信金の人が言うには、町工場bの社長は特許で大儲けするたびに開発費用と競馬に回すような人だそう。でも、或る開発で大失敗したことをきっかけに倒産してしまった、と。
驚くと思うけど、その大失敗劇というのは、3年前のことなんだ。
それ以来、社長一家は行方不明。会社については放置だってよ。面白い特許等も有している会社なので買収をしたい者も有るそうだけど、敷地や機械や、町工場b社長に所有権が有って、ややこしいらしい」。
フリーライターEさんは反論する、「でもこの前、町工場bの固定電話に電話したら、社長が出てきましたよ」と。
責任者Dさんは、「まあ工場には、社長に権利の属するものも多いから、時々は工場に来ているのかな?それにしても、営業しているような言い方は迷惑だよな」と言った。
Eさんは、電話を続けながら、町工場bの敷地内を歩いてみた。それで、事務所らしい小屋を発見。
その、アルミ扉の玄関を開けてみた。施錠されておらず、扉は開いた。
室内にはデスクが並んでいるが、誰も居ない。長らく掃除されていないと思えるような、埃っぽい部屋である。並ぶデスクも寂しそう。
そんなデスクの上に、何年も使われていなさそうな、埃まみれの固定電話が有る。その電話が機能しているようには見えない。
だがその固定電話には、その固定電話の番号だろう、電話番号の書かれたテープが貼られている。
その番号を見てフリーライターEさんに、恐怖の衝撃は走る。
その番号こそは、Eさんがこの前、町工場bへ、取材許可を得るためにかけた番号だ。社長と話したあの番号だ。
しばらくして、フリーライターEさんは、責任者Dさんとの電話を終えた。
さて、手に握っているこのスマホで、目の前の固定電話にかけてみようか?
でも、もし、固定電話が機能していなかったら…。
怖いので、止めにした。
それから、Eさんは、事務所を出ようとデスクに背を向けた。
その時。
背後で、ドタン!と大きな音がした。
びっくりして、Eさんは振り返った。
そこに、大きなトロフィーが転がっていた。
以上「廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】」。
※本ブログの記事は全て著作権によって保護されておりますことへのご理解をお願い申し上げます。

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(分量は文庫本換算2ページ程です。他の話は「本blog全記事の一覧」へ。)
第一章:求人情報誌の企画|廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】
求人情報社aは、強みを持つ中小零細企業を掘り起こす企画をスタートさせた。
その企画の責任者となったDさんは、いくつかの企業をピックアップした。
その中に、金型プレス技術に強みを持つ、町工場bは有った。
それで、町工場bへの取材を、フリーライターのEさんに依頼した。
第二章:電話に出たのは感じよい社長|廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】
依頼を受けたフリーライターEさんは、町工場bに電話して、訪問取材のための許可を取った。
電話に対応をしてくれたのは、町工場bの社長だった。
社長は、「社長自ら電話に出たり、職人として工場で作業したり、大変だよ」なんて、電話の向こうで笑っていた。
町工場b社長との電話を切ったフリーライターEさんは、責任者Dさんに、取材日等を報告した。
その後、フリーライターEさんは、町工場bについてネット上の情報を集めた。
公式ホームページは無かった。タウン情報サイトに町工場bの情報が掲載されていて、そこに、「倒産した」という文も見つけた。
でも先程、電話はつながったのだ。
タウン情報サイトをガセだと判断したし、Dさんに倒産したという噂が有ると伝えると、「仮に倒産していても特許とかで面白い情報が得られそうな会社なので取材や調査してね」と言われた。
第三章:工場にて寂しい光景|廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】
取材の日。
フリーライターEさんは、責任者Dさんからメールで送られた町工場b住所をスマホで検索して、表示された地図を頼りに、駅から歩いていた。
繁華街の駅から数駅外れた住宅街の駅に降りて、住宅街を抜けて、家々も疎らになってきた辺りで中型スーパーくらいの大きさの工場らしき建物は見えてきた。
ここだな。
フリーライターEさんは、早歩きに敷地入口に立った。
だが、敷地内から音はしない。
敷地内に足を踏み入れる。敷地の大半を占める作業場らしき箱型の建物に入って見る。
そこにも、誰もいない。並んでいる制作機械たちはみんな沈黙している。
工場としては、寂しい風景だ。
フリーライターEさんは、不審に思いつつ、責任者Dさんに電話する。
出てきた責任者Dさんに、「これから取材をしようと思うんですけど、町工場bは稼働してないし、誰もいないんですけど」と言う。
責任者Dさんは、「やっぱり…」と言って後、今日までに得た町工場bに関する奇妙な情報をEさんに伝える。
第四章:事務所にて走る恐怖|廃工場なのか?社長は今どこ?【怖い話】
「ネットの情報の中に、「町工場bは倒産した」なんてものもあった。でも電話をすると、社長さんが出てきた。倒産情報はガセだと思ったし、仮に倒産していても特許関係で面白い情報の有りそうな会社なのでEさんに取材・調査を依頼した。
一方で、倒産したという情報も気になったから、調べてみた。
町工場bに融資していた金融機関の一つに、うちが求人情報を担当している信金も有った。丁度仕事で接する機会も有ったので、尋ねてみた。
信金の人が言うには、町工場bの社長は特許で大儲けするたびに開発費用と競馬に回すような人だそう。でも、或る開発で大失敗したことをきっかけに倒産してしまった、と。
驚くと思うけど、その大失敗劇というのは、3年前のことなんだ。
それ以来、社長一家は行方不明。会社については放置だってよ。面白い特許等も有している会社なので買収をしたい者も有るそうだけど、敷地や機械や、町工場b社長に所有権が有って、ややこしいらしい」。
フリーライターEさんは反論する、「でもこの前、町工場bの固定電話に電話したら、社長が出てきましたよ」と。
責任者Dさんは、「まあ工場には、社長に権利の属するものも多いから、時々は工場に来ているのかな?それにしても、営業しているような言い方は迷惑だよな」と言った。
Eさんは、電話を続けながら、町工場bの敷地内を歩いてみた。それで、事務所らしい小屋を発見。
その、アルミ扉の玄関を開けてみた。施錠されておらず、扉は開いた。
室内にはデスクが並んでいるが、誰も居ない。長らく掃除されていないと思えるような、埃っぽい部屋である。並ぶデスクも寂しそう。
そんなデスクの上に、何年も使われていなさそうな、埃まみれの固定電話が有る。その電話が機能しているようには見えない。
だがその固定電話には、その固定電話の番号だろう、電話番号の書かれたテープが貼られている。
その番号を見てフリーライターEさんに、恐怖の衝撃は走る。
その番号こそは、Eさんがこの前、町工場bへ、取材許可を得るためにかけた番号だ。社長と話したあの番号だ。
しばらくして、フリーライターEさんは、責任者Dさんとの電話を終えた。
さて、手に握っているこのスマホで、目の前の固定電話にかけてみようか?
でも、もし、固定電話が機能していなかったら…。
怖いので、止めにした。
それから、Eさんは、事務所を出ようとデスクに背を向けた。
その時。
背後で、ドタン!と大きな音がした。
びっくりして、Eさんは振り返った。
そこに、大きなトロフィーが転がっていた。
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※本ブログの記事は全て著作権によって保護されておりますことへのご理解をお願い申し上げます。

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