唯一生き延びたヒト属?現生人種1【コズミックホラーのきっかけに】
「「ヒト」はかつて多種いた?人類史1【コズミックホラーのきっかけに】」では、ヒト祖先とチンパンジー祖先が分岐して後、ヒトの祖先の歴史を眺めました。
ヒト祖先は、進化を繰り返して多種になる中で、約20万年前に現生人種の登場となりました。
今回は、登場後から文明幕開けまでの、現生人種の歴史を眺めます。
ネアンデルタール人等他のヒト属とも併存しつつ現在に至り、でも、他のヒト属は滅んで、ヒトの種類は現生人種のみとなります。
なぜ、現生人種のみ生き延びられたのか?その一説にも触れていきます。
壮大なものに触れて自分がちっぽけに感じたり、不思議さを感じたり、良い気分転換になるかもしれません。
第一章では、サピエンス種(現生人種)の登場について。また、登場直後は、他の動物に襲われたり、他のヒト属と競合するとおそらく負ける等、弱者だったこと等を見ていきます。
第二章では、サピエンス種が強者となっていく様子を見ていきます。
(以下、続きの他記事です。)
第三章では、他のヒト属は滅んだのにサピエンス種は生き延びた理由の一説等。
第四章では、サピエンス種の発展が止まらないことやついに文明の幕開けする辺りまで見ていきます。
分量は、第一章~第二章で文庫本換算5P、第三章~第四章で文庫本換算5P程です。
以下目次をクリック・タップでジャンプできるのでしおり代わりにどうぞ(他は「本blog全記事の一覧」へ)。
現在から約40万年前に、ヒト属ハイデルベルゲンシス種の内の一部は、ヒト属ネアンデルターレンシス種(ネアンデルタール人)へと進化します(進化のメカニズム等は「子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」へ。)。
後、世界へと広がっていきます。
約20万年前に、同じく、ヒト属ハイデルベルゲンシス種の内で、アフリカ大陸にいた一部で進化して、ヒト属サピエンス種つまり現生人種は登場します。
つまり、ネアンデルタール人とサピエンス種とは、兄弟姉妹のような関係です。
サピエンス種は、ネアンデルタール人の区分される旧人ではなくて、新人に区分します。
(サピエンス種もまた、約20万年前に地球上に登場して現在に至るまでに、変化は有る。種よりも下の分類である亜種の分類も、成されています。
古い時代の亜種等に、旧人に区分される場合も有ります。)
現生人種は、約20万年も前に地球上に存在した一方、文明の幕開けを示す一つとされる農業のはじまりは、約1万年前。
現生人種って、実は文明無しに生きていた時間の方が、圧倒的に長いわけです。そこで、怪奇趣味の者なら、奇妙な想像もしてしまうところです。
文明の無い時代に用いていたが文明が有る現代には不要になった能力が有って、そんな能力が超能力と扱われている場合もあるなんて。ホラー小説によくありますね。
サピエンス種は、ネアンデルタール人や他の旧人たちよりも、額は縦にずっと広くて眉の出っ張りは引っ込んで突き出た顎も引っ込みます。
体格は、ネアンデルタール人に比べて、華奢とまでは言えないけれど細いです。また、脳の容積は、平均してネアンデルタール人の方が大きいため、頭でっかちも抑えられています。全体としては、スラリとしています。
知能は、脳の大きなネアンデルタール人の方が上だったとする説も有る一方で、これ程の大きさになると脳の大きさと知能は関係は薄くなることやどの部分が発達しているかも重要とする説も有って、基本的にはサピエンス種の方が上とされます。
「「ヒト」はかつて多種いた?人類史2【コズミックホラーのきっかけに】」で、ネアンデルタール人は巨石を持ち上げるパワーや大型動物の突撃を受け止められる防御力が有ったとされると書きました。
一方で、上に、サピエンス種の体格は、華奢とまではいかないにせよネアンデルタール人に比べて細いと書きました。
サピエンス種にはおそらく、ネアンデルタール人程のパワーも防御力も無かったとされます。
よってサピエンス種は、ネアンデルタール人と違い、大型動物を捕獲する場面は少なかったとされます。狩猟対象は、基本的に小動物だったとされます。
ただし、サピエンス種は、時代が経つ程に、驚異的スピードで強者となります。それについて、次の見出しで見ていきます。
サピエンス種は、時代の新しくなる程に、どんどんと強くなっていきます。それを支えた能力や道具等、次に見ていきます。
また、現在から約10万年前、サピエンス種の一部は、アフリカ大陸を出て世界に広がって行ったとされます。
その後、現在から約7万年前に、地球は氷期に突入します。
(約258万年前から現在までの間、地球環境は数万年~数十万年周期で交互に、寒冷に向かう時期と温暖に向かう時期とを繰り返しているとされます。
寒冷化の時期を、氷期といいます。氷期の年平均気温は、現在と比べて5度程低いともされます。)
そんな厳しい氷期を生き延びるために重要な道具や発明等も、登場します。
上に書いたように、サピエンス種は登場した時には弱者であって小型動物等を捕まえて生きていたとされます。
それなのに、時代が経つと、大型動物を捕らえたり、筋骨隆々のネアンデルタール人を圧倒するに至ります。
その原因の一つが、道具です。
上に、サピエンス種はネアンデルタール人よりも知能が上と書きましたが、それもあってか、ネアンデルタール人よりも多種多様の道具を思いついたともされます。さらに、手先の器用さもネアンデルタール人より上とされて、思いついたものを形にすることや細やかな道具の登場につながります。
具体的にはどんな道具か?
現在から約10万年前から、手投げ矢やアトラトルが登場します。つまり、強力な飛び道具です。
アトラトルとは、投矢器です。アトラトルを手に握り、そのアトラトルに矢をセットし、あとは普通に矢を投げます。すると、アトラトルはテコとなり、アトラトル無しに矢を投げるのに比べて、飛距離は段違いに伸びるのです。
手投げ矢やアトラトルの登場で、マンモス等の大型獣を狩猟する機会も増えたと考えられています。
マンモス程の大型獣は、遠投できるような小さな石をぶつけられたぐらいではほとんどダメージは無いです。アトラトル無しの手投げ矢や槍投げでは、近距離まで近づく必要があるため、危険です。
一方、手投げ矢とアトラトルがあれば、危険な大型獣に対して、距離を十分に保っての攻撃もできます。
さらに、矢にカエル毒や植物毒を塗る等もしていたのでは?という説も有ります。
恐ろしいですね。
旧人や原人や猿人だって、石を投げたり、石槍を槍投げしたりして、飛び道具もあったでしょう。
ですが、投げるのに適した手投げ矢とアトラトルは、それらに比べて、飛び道具としての殺傷能力は段違いなのです。
道具以外にも、サピエンス種の狩り成功率を上げた存在があります。
約3万年前(10万年以上前とする説も有り)に、オオカミの一部から進化してイヌが出現したとされます。
約3万年前以降のサピエンス種に関する遺跡や遺跡付近から、イヌの化石が発見されるようになります。サピエンス種とイヌは、おそらく意図的に接近をしており、何等かの形で協力し合っていたと考えられています。
何においてどんな協力をし合っていたか?現代となっては想像するしか有りませんが、当時のサピエンス種は狩猟・採集生活をしていたので、おそらく狩りで協力し合っていたのでしょう。
現代の狩猟からの想像になりますが、イヌの嗅覚によって隠れている獲物を見つけたり、イヌがサピエンス種の入れないくさむらや小さな穴や木々の間から獲物を追い出してサピエンス種は出てきた獲物を待ち受けて攻撃するという狩猟スタイル等もあり得たのかもしれません。
古い時代から、サピエンス種とイヌは共存していたのかもしれません。
(サピエンス種以外にも旧人や原人の化石の近くでイヌやオオカミの化石も発見される等、何等か接触をしていたとする説も有ります。
また、現生のオオカミは鳥と協力することも有るとされます。)
狩りにおけるもの以外にも、革命的な道具が登場します。それが針です。
動物の骨格を、針として削り出したものです。
現在のところ、サピエンス種のもので最古の針は約4万年前のものです。
前回「「ヒト」はかつて多種いた?人類史2【コズミックホラーのきっかけに】」で、旧人は服を着ていたと述べました。
サピエンス種もまた、体毛や代謝等関係上、服は必要だったでしょう。
約4万年前のサピエンス種には、まだ、糸や布を作る技術は無いです。旧人同様、動物の皮を鞣して身体を覆うような服です。
でも、糸の代用になるもので針を縫い針として用いて裁縫すれば、皮を隙間なくつなぎ合わせたり、袖を作ったりできます。それらによって、隙間を減らしたり、身体を覆う部分を増やしたり、密着性を高めたりできます。
つまり、針を用いていない服よりも、保温性の良い服を作ることもできます。
すると、針を持っていない旧人よりも優れた防寒着を作れるのです。
それによって、風邪をひきにくくなる等病気の予防はもちろんですが、食事で得たエネルギーを節約できると思われます(食事で得た栄養分は身体を保つのに必要な熱を作ることにも使われる等)。
そのことは、約7万年前から始まった氷期を生きる上で、極めて重要だったとする説も有ります。
サピエンス種の特徴に、高度な言語能力と集団コミュニケーション能力と共感性もまた、挙げられます。
サピエンス種の舌や喉辺りの作りは、ネアンデルタール人よりも発音に適しているため、多くの音を発せられます。
また、それらに意味を持たせて伝え合う等言語能力や集団でのコミュニケーション力にも優れています。
これら能力を駆使することで、生活における連携をできたり、天才と凡人の差を狭められたり、一人ひとりのアイデアをアレンジして新たなものを作ることができたりにつながるともされます。
言語というのは、本当は怒っていなくても、「怒っている」と言えば意味の上では怒っていると伝わる抽象的なものです。怒りの本質までは解らなくても、怒っていることは伝えられます。
同じように、一部の天才の閃きを、閃いた実体験のない凡人に対しても一つ一つかみくだいて説明すれば、実体験がない凡人もその閃きを理解できます。例えば、すごい狩猟方法を閃いたとか大型動物に遭遇した時のいい対処法の閃き等について、みんなで共有できるのです。
また、みんなで共有しようとする概念が有るのは、集団コミュニケーション力の高さとされます。それも、一つの群を越えて何かを共有しようとする概念が、サピエンス種には有るとされます。
ネアンデルタール人は、群の中でのコミュニケーションはしていたものの、群を越えるコミュニケーション行っていない或いは積極的には行っていないとされます。
それと、心理学の実験で、多くの乳幼児で、「協力」を良し思っているいることも解っています。教育を受けていない赤ちゃんが、「協力」を良しとすることは、サピエンス種は本能のレベルで、協力を良しとしていることを示しているとされます。
以上のような、高度な言語能力と広域コミュニケーションと共感性によって、広い範囲で互いの良い思い付きを共有したりアレンジすること等を一因に、サピエンス種の石器や狩りの方法は、時代の新しくなるたびに新開発されてより強力なものになったとされます。
一方のネアンデルタール人の石器は、何万年もの間ほとんど進展はしていません。
(もちろん、だからネアンデルタール人はダメということを言いたいのでは有りません。ネアンデルタール人には、現生人種の及ばない凄まじい能力が有ったり、生きるために捉えるべき宇宙も違っていたかもしれません。怪奇趣味の方なら、霊的な能力を有していたなんて思ったり?)
その他、太古のサピエンス種もまた、現生人同様に絵の創作も行っていたとされます。
約4万年前にサピエンス種の使用していたとされる遺跡から、壁画や彫刻の跡が発見されています。
また、死者の丁寧な埋葬跡も発見されています。
(絵の創作や埋葬等は、サピエンス種に特有のものとは言いきれないのでご注意ください。
サピエンス種以外でネアンデルタール人も、埋葬を行っていたとされます。旧人の化石に、自然に運ばれたとは思えない程大量の花粉が付着しているものもあり、死者に花を添えた形跡とされています。
また、埋葬という形に残るか残らないかというだけでなくて、心の面を問題にするなら、猿人や原人も何等かの弔いのようなものはしていた可能性はあります。
また、現代でもゾウやオオカミは、仲間が死ぬと死んだ仲間の身体をさすったり遠吠えをあげたりもします。)
さて、強者となったサピエンス種ですが、この後、氷期等危機的時代も続きます。果たして、どのように生き延びたのか?他のヒト属は滅んで、サピエンス種のみ生き延びた理由は何か?また、滅んでも現生人に刻まれたネアンデルタール人の遺伝子は何を意味するのか?それらは、「唯一生き延びたヒト属?現生人種2【コズミックホラーのきっかけに】」で見ていきます。ヒトの発明の内で画期的なものとされるいくつかも、登場します。
以上「唯一生き延びたヒト属?現生人種1【コズミックホラーのきっかけに】」。続きは「唯一生き延びたヒト属?現生人種2【コズミックホラーのきっかけに】」へ。
※本記事は科学記事・学術記事ではありません。
※本記事は、本記事作成時の情報を本記事作成者の裁量で用いて作成しており、正確性の保証は有りません。また、最新情報は変化している可能性も有ります。
※本ブログの記事は全て、著作権によって保護されておりますことへ、ご理解のお願いを申し上げます。

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ヒト祖先は、進化を繰り返して多種になる中で、約20万年前に現生人種の登場となりました。
今回は、登場後から文明幕開けまでの、現生人種の歴史を眺めます。
ネアンデルタール人等他のヒト属とも併存しつつ現在に至り、でも、他のヒト属は滅んで、ヒトの種類は現生人種のみとなります。
なぜ、現生人種のみ生き延びられたのか?その一説にも触れていきます。
壮大なものに触れて自分がちっぽけに感じたり、不思議さを感じたり、良い気分転換になるかもしれません。
第一章では、サピエンス種(現生人種)の登場について。また、登場直後は、他の動物に襲われたり、他のヒト属と競合するとおそらく負ける等、弱者だったこと等を見ていきます。
第二章では、サピエンス種が強者となっていく様子を見ていきます。
(以下、続きの他記事です。)
第三章では、他のヒト属は滅んだのにサピエンス種は生き延びた理由の一説等。
第四章では、サピエンス種の発展が止まらないことやついに文明の幕開けする辺りまで見ていきます。
分量は、第一章~第二章で文庫本換算5P、第三章~第四章で文庫本換算5P程です。
以下目次をクリック・タップでジャンプできるのでしおり代わりにどうぞ(他は「本blog全記事の一覧」へ)。
目次
第一章:サピエンス種の登場
①身体的特徴や知能
②サピエンス種は弱者だった?
第二章:強者となっていくサピエンス種
①手投げ矢とアトラトル
②イヌとの協力
③縫い針
④言語能力と集団コミュニケーション能力と共感性
⑤太古サピエンス種の習俗
第一章:サピエンス種の登場
①身体的特徴や知能
②サピエンス種は弱者だった?
第二章:強者となっていくサピエンス種
①手投げ矢とアトラトル
②イヌとの協力
③縫い針
④言語能力と集団コミュニケーション能力と共感性
⑤太古サピエンス種の習俗
第一章:サピエンス種の登場
現在から約40万年前に、ヒト属ハイデルベルゲンシス種の内の一部は、ヒト属ネアンデルターレンシス種(ネアンデルタール人)へと進化します(進化のメカニズム等は「子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」へ。)。
後、世界へと広がっていきます。
約20万年前に、同じく、ヒト属ハイデルベルゲンシス種の内で、アフリカ大陸にいた一部で進化して、ヒト属サピエンス種つまり現生人種は登場します。
つまり、ネアンデルタール人とサピエンス種とは、兄弟姉妹のような関係です。
サピエンス種は、ネアンデルタール人の区分される旧人ではなくて、新人に区分します。
(サピエンス種もまた、約20万年前に地球上に登場して現在に至るまでに、変化は有る。種よりも下の分類である亜種の分類も、成されています。
古い時代の亜種等に、旧人に区分される場合も有ります。)
現生人種は、約20万年も前に地球上に存在した一方、文明の幕開けを示す一つとされる農業のはじまりは、約1万年前。
現生人種って、実は文明無しに生きていた時間の方が、圧倒的に長いわけです。そこで、怪奇趣味の者なら、奇妙な想像もしてしまうところです。
文明の無い時代に用いていたが文明が有る現代には不要になった能力が有って、そんな能力が超能力と扱われている場合もあるなんて。ホラー小説によくありますね。
①身体的特徴や知能|第一章:サピエンス種の登場
サピエンス種は、ネアンデルタール人や他の旧人たちよりも、額は縦にずっと広くて眉の出っ張りは引っ込んで突き出た顎も引っ込みます。
体格は、ネアンデルタール人に比べて、華奢とまでは言えないけれど細いです。また、脳の容積は、平均してネアンデルタール人の方が大きいため、頭でっかちも抑えられています。全体としては、スラリとしています。
知能は、脳の大きなネアンデルタール人の方が上だったとする説も有る一方で、これ程の大きさになると脳の大きさと知能は関係は薄くなることやどの部分が発達しているかも重要とする説も有って、基本的にはサピエンス種の方が上とされます。
②サピエンス種は弱者だった?|第一章:サピエンス種の登場
「「ヒト」はかつて多種いた?人類史2【コズミックホラーのきっかけに】」で、ネアンデルタール人は巨石を持ち上げるパワーや大型動物の突撃を受け止められる防御力が有ったとされると書きました。
一方で、上に、サピエンス種の体格は、華奢とまではいかないにせよネアンデルタール人に比べて細いと書きました。
サピエンス種にはおそらく、ネアンデルタール人程のパワーも防御力も無かったとされます。
よってサピエンス種は、ネアンデルタール人と違い、大型動物を捕獲する場面は少なかったとされます。狩猟対象は、基本的に小動物だったとされます。
ただし、サピエンス種は、時代が経つ程に、驚異的スピードで強者となります。それについて、次の見出しで見ていきます。
第二章:強者となっていくサピエンス種
サピエンス種は、時代の新しくなる程に、どんどんと強くなっていきます。それを支えた能力や道具等、次に見ていきます。
また、現在から約10万年前、サピエンス種の一部は、アフリカ大陸を出て世界に広がって行ったとされます。
その後、現在から約7万年前に、地球は氷期に突入します。
(約258万年前から現在までの間、地球環境は数万年~数十万年周期で交互に、寒冷に向かう時期と温暖に向かう時期とを繰り返しているとされます。
寒冷化の時期を、氷期といいます。氷期の年平均気温は、現在と比べて5度程低いともされます。)
そんな厳しい氷期を生き延びるために重要な道具や発明等も、登場します。
①手投げ矢とアトラトル|第二章:強者となっていくサピエンス種
上に書いたように、サピエンス種は登場した時には弱者であって小型動物等を捕まえて生きていたとされます。
それなのに、時代が経つと、大型動物を捕らえたり、筋骨隆々のネアンデルタール人を圧倒するに至ります。
その原因の一つが、道具です。
上に、サピエンス種はネアンデルタール人よりも知能が上と書きましたが、それもあってか、ネアンデルタール人よりも多種多様の道具を思いついたともされます。さらに、手先の器用さもネアンデルタール人より上とされて、思いついたものを形にすることや細やかな道具の登場につながります。
具体的にはどんな道具か?
現在から約10万年前から、手投げ矢やアトラトルが登場します。つまり、強力な飛び道具です。
アトラトルとは、投矢器です。アトラトルを手に握り、そのアトラトルに矢をセットし、あとは普通に矢を投げます。すると、アトラトルはテコとなり、アトラトル無しに矢を投げるのに比べて、飛距離は段違いに伸びるのです。
手投げ矢やアトラトルの登場で、マンモス等の大型獣を狩猟する機会も増えたと考えられています。
マンモス程の大型獣は、遠投できるような小さな石をぶつけられたぐらいではほとんどダメージは無いです。アトラトル無しの手投げ矢や槍投げでは、近距離まで近づく必要があるため、危険です。
一方、手投げ矢とアトラトルがあれば、危険な大型獣に対して、距離を十分に保っての攻撃もできます。
さらに、矢にカエル毒や植物毒を塗る等もしていたのでは?という説も有ります。
恐ろしいですね。
旧人や原人や猿人だって、石を投げたり、石槍を槍投げしたりして、飛び道具もあったでしょう。
ですが、投げるのに適した手投げ矢とアトラトルは、それらに比べて、飛び道具としての殺傷能力は段違いなのです。
②イヌとの協力|第二章:強者となっていくサピエンス種
道具以外にも、サピエンス種の狩り成功率を上げた存在があります。
約3万年前(10万年以上前とする説も有り)に、オオカミの一部から進化してイヌが出現したとされます。
約3万年前以降のサピエンス種に関する遺跡や遺跡付近から、イヌの化石が発見されるようになります。サピエンス種とイヌは、おそらく意図的に接近をしており、何等かの形で協力し合っていたと考えられています。
何においてどんな協力をし合っていたか?現代となっては想像するしか有りませんが、当時のサピエンス種は狩猟・採集生活をしていたので、おそらく狩りで協力し合っていたのでしょう。
現代の狩猟からの想像になりますが、イヌの嗅覚によって隠れている獲物を見つけたり、イヌがサピエンス種の入れないくさむらや小さな穴や木々の間から獲物を追い出してサピエンス種は出てきた獲物を待ち受けて攻撃するという狩猟スタイル等もあり得たのかもしれません。
古い時代から、サピエンス種とイヌは共存していたのかもしれません。
(サピエンス種以外にも旧人や原人の化石の近くでイヌやオオカミの化石も発見される等、何等か接触をしていたとする説も有ります。
また、現生のオオカミは鳥と協力することも有るとされます。)
③縫い針|第二章:強者となっていくサピエンス種
狩りにおけるもの以外にも、革命的な道具が登場します。それが針です。
動物の骨格を、針として削り出したものです。
現在のところ、サピエンス種のもので最古の針は約4万年前のものです。
前回「「ヒト」はかつて多種いた?人類史2【コズミックホラーのきっかけに】」で、旧人は服を着ていたと述べました。
サピエンス種もまた、体毛や代謝等関係上、服は必要だったでしょう。
約4万年前のサピエンス種には、まだ、糸や布を作る技術は無いです。旧人同様、動物の皮を鞣して身体を覆うような服です。
でも、糸の代用になるもので針を縫い針として用いて裁縫すれば、皮を隙間なくつなぎ合わせたり、袖を作ったりできます。それらによって、隙間を減らしたり、身体を覆う部分を増やしたり、密着性を高めたりできます。
つまり、針を用いていない服よりも、保温性の良い服を作ることもできます。
すると、針を持っていない旧人よりも優れた防寒着を作れるのです。
それによって、風邪をひきにくくなる等病気の予防はもちろんですが、食事で得たエネルギーを節約できると思われます(食事で得た栄養分は身体を保つのに必要な熱を作ることにも使われる等)。
そのことは、約7万年前から始まった氷期を生きる上で、極めて重要だったとする説も有ります。
④言語能力と集団コミュニケーション能力と共感性|第二章:強者となっていくサピエンス種
サピエンス種の特徴に、高度な言語能力と集団コミュニケーション能力と共感性もまた、挙げられます。
サピエンス種の舌や喉辺りの作りは、ネアンデルタール人よりも発音に適しているため、多くの音を発せられます。
また、それらに意味を持たせて伝え合う等言語能力や集団でのコミュニケーション力にも優れています。
これら能力を駆使することで、生活における連携をできたり、天才と凡人の差を狭められたり、一人ひとりのアイデアをアレンジして新たなものを作ることができたりにつながるともされます。
言語というのは、本当は怒っていなくても、「怒っている」と言えば意味の上では怒っていると伝わる抽象的なものです。怒りの本質までは解らなくても、怒っていることは伝えられます。
同じように、一部の天才の閃きを、閃いた実体験のない凡人に対しても一つ一つかみくだいて説明すれば、実体験がない凡人もその閃きを理解できます。例えば、すごい狩猟方法を閃いたとか大型動物に遭遇した時のいい対処法の閃き等について、みんなで共有できるのです。
また、みんなで共有しようとする概念が有るのは、集団コミュニケーション力の高さとされます。それも、一つの群を越えて何かを共有しようとする概念が、サピエンス種には有るとされます。
ネアンデルタール人は、群の中でのコミュニケーションはしていたものの、群を越えるコミュニケーション行っていない或いは積極的には行っていないとされます。
それと、心理学の実験で、多くの乳幼児で、「協力」を良し思っているいることも解っています。教育を受けていない赤ちゃんが、「協力」を良しとすることは、サピエンス種は本能のレベルで、協力を良しとしていることを示しているとされます。
以上のような、高度な言語能力と広域コミュニケーションと共感性によって、広い範囲で互いの良い思い付きを共有したりアレンジすること等を一因に、サピエンス種の石器や狩りの方法は、時代の新しくなるたびに新開発されてより強力なものになったとされます。
一方のネアンデルタール人の石器は、何万年もの間ほとんど進展はしていません。
(もちろん、だからネアンデルタール人はダメということを言いたいのでは有りません。ネアンデルタール人には、現生人種の及ばない凄まじい能力が有ったり、生きるために捉えるべき宇宙も違っていたかもしれません。怪奇趣味の方なら、霊的な能力を有していたなんて思ったり?)
④太古サピエンス種の習俗|第二章:強者となっていくサピエンス種
その他、太古のサピエンス種もまた、現生人同様に絵の創作も行っていたとされます。
約4万年前にサピエンス種の使用していたとされる遺跡から、壁画や彫刻の跡が発見されています。
また、死者の丁寧な埋葬跡も発見されています。
(絵の創作や埋葬等は、サピエンス種に特有のものとは言いきれないのでご注意ください。
サピエンス種以外でネアンデルタール人も、埋葬を行っていたとされます。旧人の化石に、自然に運ばれたとは思えない程大量の花粉が付着しているものもあり、死者に花を添えた形跡とされています。
また、埋葬という形に残るか残らないかというだけでなくて、心の面を問題にするなら、猿人や原人も何等かの弔いのようなものはしていた可能性はあります。
また、現代でもゾウやオオカミは、仲間が死ぬと死んだ仲間の身体をさすったり遠吠えをあげたりもします。)
さて、強者となったサピエンス種ですが、この後、氷期等危機的時代も続きます。果たして、どのように生き延びたのか?他のヒト属は滅んで、サピエンス種のみ生き延びた理由は何か?また、滅んでも現生人に刻まれたネアンデルタール人の遺伝子は何を意味するのか?それらは、「唯一生き延びたヒト属?現生人種2【コズミックホラーのきっかけに】」で見ていきます。ヒトの発明の内で画期的なものとされるいくつかも、登場します。
以上「唯一生き延びたヒト属?現生人種1【コズミックホラーのきっかけに】」。続きは「唯一生き延びたヒト属?現生人種2【コズミックホラーのきっかけに】」へ。
※本記事は科学記事・学術記事ではありません。
※本記事は、本記事作成時の情報を本記事作成者の裁量で用いて作成しており、正確性の保証は有りません。また、最新情報は変化している可能性も有ります。
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