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それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】

一度発したことばは、無かったことにはできません。この話は、警備員Bさん(男性)の、背筋の凍るような体験談


(分量は文庫本換算1ページ程です。他の話は「本blog全記事の一覧」へ。)




第一章:所長と職工が不仲?或る工事現場|それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】


その日、警備員B(男・大学生・24歳)さんは、或る建設現場に、ヘルプで入った。

緊急のことだったので朝礼には出ていないし、初めて入った現場なので、不慣れなことも多い。



それでも、与えられた仕事をこなしていると、要領を掴んでいった。また、何度目かの休憩時間には、休憩室で職工さんたちと談笑もするようになった。



話していて気付いたのが、この現場は、職工さんと所長さんの関係は良くないことだ。

所長さんは、「作業の遅れを取り戻すように」と、協力会社の人たちにはっぱをかけるそう。一方で、協力会社の職工さんたちは、遅れを取り戻すことは無理だという、諦めモード。



職工さんたちは、所長さんのいないこの休憩室で、所長さんのことを「ハゲ」と呼んでいた。


第二章:愛想良く挨拶!現れた七分刈りの男に|それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】


休憩時間が終わった警備員Bさん。

職工さんたちとの談笑を切り上げて、持ち場である工事現場入口に立つ。



一時間程して、昼時になる。

職工さんや職員さんは、警備員Bさんの立つ出入り口を通って、コンビニ等へ向かう。



その中に、ヘルメットを脇にかかえた七分刈りの中年男がいた。

立ち止まってBさんに言う、「お疲れさん。でかい声でしゃべっていたり道いっぱいに広がって歩いたりするような、態度のよくない職工がいたら、所長まで伝えてくれ」と。

Bさんは職工さんとの話し思い出して、「ああハゲの所長さんですね」と、愛想良く言った。



七分刈りの中年男は一瞬黙る。そして、「ああ。ハゲの所長よ」と言って、コンビニかどこかへと出入口を出て行った。


第三章:あの挨拶はまずかった?|それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】


その後。

休憩時間にはったBさんは、現場から休憩室へ向かって歩いていた。その時に、七分刈りの中年男が、一人の職工さんに「所長」と呼ばれているのを目撃した。

それを見たBさんは、血の気が引いた。



地に足が付かないままに、Bさんは休憩室へ。

休憩室では、警備リーダーがたばこをふかしていた。



Bさんは平静を装いつつ、リーダーに「七分刈りの中年の人って所長ですか?」と尋ねた。

警備リーダーは、たばこの煙を吐き出しつつ一息ついて、「そうだよ」と言う。



Bさんは、平静を保てずに焦り出し、「でも、ハゲてないですよね?あの人」と、何らかの間違いであることに一縷の望みをかけるように尋ねた。

警備リーダーは焦るBさんにも気づかずに平然と言った、「あれはカツラだよ。CMでもやってるだろ?何とかナチュラルなんて頭にペタって貼るやつ。ヘルメットでも安心らしいね」と。


第四章:もうあの現場には行けません|それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】


Bさんはその後、所長に会うのが恐ろしくて、気まずくて、この現場へのヘルプ要請を断り続けているそうです。


以上「それ禁句!背筋凍る警備員【怖い話】」。

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※以下内容は、部分的ネタバレも有りますのでご注意ください。

※以下内容は、あくまでも、本記事筆者の感想です。



遥かな世界とは?宇宙の果て、海深く、山高く、さまざまに思い付くところ。

H.P.ラヴクラフト作『時間からの影』もまた、信じられない程に遥かな遠い世界に来てしまったとも感じさせてくれる作品だと思います。また、宇宙的恐怖ものの神髄の一つとも思っています。

以下、『時間からの影』をピックアップ。


『時間からの影』の概要とあらすじ。

・文庫本100ページ程。日本語版で入手しやすいものは、おそらくは、創元推理文庫「ラヴクラフト全集3」。

・『時間からの影』は、原文では『The Shadow Out of Time』となっています。ド直訳をするなら、「時の流れから出て行った、影のような何者か」と言ったところでしょうか。

・あらすじ
主人公である大学教授(ナサニエル・ウィンゲイト・ピースリー)は、或る日突然、記憶喪失に陥ります。また、従来のようにはしゃべられなくなります。同時に、歴史・科学・芸術・言語・特定の伝承等に対して異様に関心を持って習得したり、一般に知られていない知識をふと見せるようにもなります。


しばらくして、教授のそうした奇妙な言動は収まり、記憶も元に戻り、日常会話も普通になり、つまり元の教授に戻ります。

ですが、逆に、異常事態に陥っていた間の記憶を、強引に封印されたように、思い出せないのです。ただし、本当に時々だけ、断片的に思い出される瞬間もあるのです。


心理学の研究者である息子たちとともに、断片的に思い出される僅かな記憶を手掛かりに、記憶を取り戻そうとする内に、長い年月は経っていきます。


そして或る日。ふと重要な記憶を取り戻すのです。

その記憶を頼りに、西オーストラリアの砂漠地帯へ降り立つことに。

そこで、地球史を覆す恐怖の大発見をすることになるのです。

ここから先は、本筋のネタバレになるのでやめておきます。



『時間からの影』を収録している創元推理文庫「ラブクラフト全集3」は、楽天kobo電子書籍ストアなら、新品の紙書籍より若干安くて、スマホやPCにダウンロードすると、すぐに読めます。

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ただ、創元推理文庫「ラヴクラフト全集」は読みにくい等文句の有る読者も見受けられます。定本ラヴクラフト全集等も有りますが、在庫は極端に少ないです。

そんなこんな、ここでは、何種類かコミックをご紹介します。

田辺剛により戯画化された「時を超える影(1)(2)」、こちらも楽天kobo電子書籍ストアより↓↓↓



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(『時間からの影』の作者H.P.ラヴクラフトは、1800年代後半~1900年代前半を生きたアメリカ人小説家です。ラヴクラフト自身にそのつもりはなくても、現代社会においては開発途上国の人への偏見とも捉えられてしまう文も時々登場します。)


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原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】

この話は、「宇宙に潜む何かに気づいた?或る縄文土器【コズミックホラー小説】」に関連した話です。

無人島での釣りで原始人を目撃?その正体は?


(分量は文庫本換算5ページ程ですが、以下目次をタップ・クリックでジャンプできるので、しおり代わりにどうぞ。他の話は「本blog全記事の一覧」へ)。




第一章:奇妙な出会い?無人島での釣り|原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】


俺(町田夏男・まちだなつお・経営コンサルタント・30歳)は、休暇を利用して、関東の或る海へと、魚釣りに来た。

場所は、無人島。とは言え、本土から見える範囲。通信機器も持っているし、夕方には、漁師さんが迎えに来てくれる予定だ。


今、漁師さんのモーター漁船を降りて、無人島と目と鼻先の岩に立った。

それを見て、俺を連れて来てくれた漁師さんは、船を発進。無人島を離れて、元に帰って行く。


俺は濡れるのを承知で、岩から海へと降りる。膝辺りまで水に浸かる。初秋の今、そんなに冷たいとは感じない。

この無人島周囲には浅瀬が続いているため、漁師さんの船は近づけない。


水は澄んでいて、太陽光をキラキラ反射する。底も見通せる。岩や石に海藻はたくさん付着していて、合間に小さな魚も泳いでいる。俺が歩くと、魚は素早く逃げる。


やがて、島へと到達した。



島を一周しつつ、適当な岩場を見つけて、陣取った。釣りをさせていただくべく、竿をセッティングした。

地を踏みしめて、上半身を捻って、腕を伸ばす。糸はシュルシュル言って伸び、餌と針は飛んでいく。そして、遠くの海にポチャンと着水した。

しばらく、待ち時間だ。俺は、竿を握りつつ、楽な姿勢で座って、固定した。


釣り竿の先に広がる海を、遠くへ遠くへ視線をのばす。青い海は、初秋の青空と水平線でつながった。景色は、総じて青い。まだ朝なので、その青は濃い。俺に聞こえる音は、穏やかな波の音のみ。

宇宙の広さを感じた。秒単位では何も変わらない景色に、時間の長大さも感じる。


職場である都心の高層オフィスビルでも、窓から遠く臨めば、広い関東平野を臨める。

ただし、パソコンに向き合う等して、窓を眺める時間はほとんどない。また、秒単位で、あらゆるものは、変化する。


しばし、広い海に、身も心も溶け込ませようとしていた。



その時。

広がる海の、そんなに遠くない場所に、異物のように小さなものが漂っていることに、気が付いた。



それを、じっと見ていた。

10分また10分と、時が過ぎるに従って、この無人島に近づいている気がしてきた。


さらに時間が過ぎた。


漂っているものは、人間であるとわかった。

男だ。上半身は裸。髭はモジャモジャ。

大人一人分くらいの小さな丸木舟に乗って、大きなオールで漕いでいる。

まるで、原始人だ。


丸木舟なんて翻弄して余りある海の波を、人力のオールで分け進む姿は、力強い。

現代社会に慣れている俺にとって、恐れすら抱かせる力強さだ。


何者だ?とりあえず、逃げよう。


第二章:その男の奇妙な時間感覚|原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】


俺は、糸を引き上げて、岩場から去る準備をする。

そんな俺を見てか、原始人のような男は、大きな声で叫んだ、「怪しいものじゃない。逃げないでくれ!」と。

俺は、一旦動作を止めて、少し遠くを漂う原始人のような男を、観察した。

上半身裸。布切れを下半身に巻いているのみに見える。おそらく丸腰。表情は穏やかだ。俺は信じて、逃げることをやめた。



しばらくして、原始人のような男は、無人島周囲の浅瀬に到着。舟を降りて、海の中を丸木舟を手で引いて、砂地に。丸木船とオールを置いて、俺のところへ。


俺は、警戒心を持ちつつ、原始人のような男を迎えた。

首からは、円形のぼやけたような奇妙な形の飾りを下げている。年齢は30代後半~40代前半だろう。

お互いに、適当に挨拶。


原始人のような男は、「久しぶりに陸で暮らす人に会えて嬉しく思う」とも言ってきた。


それから、二人、木陰に移動して、座った。



俺は男に尋ねた、「丸木舟。屈強な身体。髭。失礼ですけれど、原始人みたいですね」。

原始人のような男は言う、「あなたはわたしを原始人と言いますが。それはハズレではないです。何年も海で狩猟生活ですからね。でも、昔は陸で職業に就いて生活していたし、その期間も長いんですよ」。


俺「どれくらいの期間、狩猟生活をされているんですか?そもそも、なぜそんな生活を?危険では?」


原始人のような男、

「期間は、最近だけなら二百年(と一瞬言って)…、何年かですね。

それまでは江戸(と一瞬言って)…、東京で建築の仕事もしていましたけどね。やっぱり南の海が恋しくなります。

南の海はわたしの故郷なんです。遠い遠い昔の…」

言いながら感傷的な目つきになって、遠く水平線を見つめる。


俺は話題を変えるように、「ずっと、一人で漂流しているんですか?」と尋ねた。


原始人のような男、

「仲間は、今でも陸の社会に溶け込んでいます。好奇心が強い。時代が変わることすら楽しんでいます。

私もね、昔は時代の変化を楽しんでいました。何度溶け込んでも、時代は代わります。その内、時代に溶け込んだり、時代の変わることに、感動も覚えなくなりました。その時代その時代の若者が、時代の変化となればいいと思うようになった。

私は長生きをした。余生という時間も、楽しませてもらった」



原始人のような男は、時々的外れなことを言う。

年齢は40歳前後だろうに、「仲間は今でも社会に溶け込んでいる」なんて。自分だって現役バリバリのはずだろう。さらに、「長生きをして余生も楽しんだ」って、どういう意味だ?

もしかすると、この男は、現代社会に疲れる等して、精神不調なのかもしれない。働き盛りの年齢で、何年も海で漂流生活というのもそれを物語っている気がする。


第三章:海を漂う古い人骨|原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】


俺「失礼ですけど、あなたはおいくつですか?」

原始人のような男「年齢…。もう忘れました。」



決めつけてはいけないが、この原始人のような男は、精神的にまいっている。それで、励ますように、「今日はまあ、楽しく釣りをしましょうよ」と言った。



俺は、何本か有る釣り竿の一つを、原始人のような男に貸した。そして、二人で、釣りをした。

原始人のような男は、活き活きしてきた。俺の見たところ、釣りの技術は高い。さすが。

それから、二人で釣った魚を食べたり、無人島探検をした。遠く海を眺めた。現代社会から離れたような時間を過ごした。



夕方になる頃、原始人のような男は、丸木舟に乗って島から去った。ただし、去り際に奇妙なことを言った。

「あなたと過ごせてよかった。とっくの昔に心残りはなかったのですが、次に陸の人と会った時にと、決めていたんです」と。



夕方の無人島。俺は一人、どこまでも広がるオレンジ色の海を見ていた。原始人のようなもう、俺の視力の及ぶ範囲にいない。

木々は、夕日をバックに、黒いシルエットとなる。風が吹くと肌寒い。波の音も寂しげに感じてしまう。

しばらくして、遠くからエンジン音が聞こえる。漁師さんが、俺を迎えに来たのだった。



俺は、漁船に乗ったが、原始人のような男のことが気になった。それで、漁師さんに、今日一日のことや去り際のことば等話した。

漁師さんは、「丸木舟なら追いつけるかもしれない。付近のみだが、ざっと探そう」と言った。

漁船で、男の去った方向へと走る。



しばらくして、丸木舟が海上を漂っているのを見つけた。

漁船を丸木舟の横に付ける。

覗くと、原始人のような男はおらず、とても古い全身骨格が一体、横たわっていた。



漁師さんは、警察に連絡をする。俺は、丸木舟と人骨を眺める。

印象は、原始人のような男が乗っていた丸木舟と、同じだ。

人骨も、原始人のような男が腰に巻いていたのと同じ布を、下半身に巻いている。また、首から、男のしていたのと同じ飾りを下げている。円形のぼやけたような、奇妙な形の。

ただし、首飾りは、真っ二つに砕けていた。また、人骨の右手には重そうな石が握られている。



俺は、少々不気味にも感じたし、悲哀のようなものも感じた。

そして、哀悼の意を示して後に、漁師さんとともに警察を待った。


第四章:転職男の首飾り|原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】


それから何カ月か過ぎた。

俺は変わらず、都心の経営コンサルタント事務所で、忙しく働いていた。

その日、転職して来た者があった。

その男は、転職初日からよく働いた。分析、交渉、事務処理、バリバリと働いた。



さらに数か月経つ。

俺は、その男の働きぶりが、気になった。奇妙にも思った。転職して来た日からの成果量から推測するに、帰宅後も寝ずに働いている。

とてつもない体力なのか、それとも何か要領の良い方法でも有るのか?



俺がロッカールームに入ると、外回りから帰ってきたところだろう、その男がシャツを着替えていた。

男は、首から円形のぼやけたような奇妙な形の飾りを下げていた。



俺は、「良いネックレスだな」とその男に言う。

その男は、「これは、飾りと言うだけではないのだよ。生命力そのものだよ」と笑った。


俺は、「流行っているのか?何か月か前に、無人島に釣りに行った時に、その首飾りを付けている男と話したよ」と言う。

その男は、焦ったように「原始人みたいな恰好だったか?」と聞いてくる。

俺は「そうだ」と言うと、男は安心したようだ。

男は、「それなら良い。俺の知り合いだ。このネックレスを流行らせることは良いのかわからないからね」と言う。

俺は、「何でだ?」と聞く。

男は明らかに誤魔化すように言う、「何でって。そうだな…。うん。あれだ。流行ってしまったら、俺が流行を意識している奴と思われるだろ?だから君も、俺がこんな形のネックレスを付けているなんて、誰にも言わないでくれ」と。



また、俺は言った(余計なことだったかもしれない)、

「その原始人のような男と分かれた後で、妙なことも有ったんだ。

とても古い人骨を乗せて漂う丸木船を見つけたんだ。

その人骨が巻いていた布や首飾り、原始人のような男と一致していた。違うとしたら、人骨の首の飾りは、砕けていた」と。



言うと、その男の表情は曇った。徐々に悲しげで寂しげなものになって、「そうか」とのみ言って、ロッカールームを出ていった。



その後、その日のその男は、抜け殻のようだった。仕事も鈍かった。

同僚の中には、その男がトイレで、後悔の念のようなものや慰めのようなものを口にしているのを聞いた。

「この前会った時に、陸に連れて来ておけばよかった」とか「縄文の仲間たちの元へと行きたいなんて言っていたから、今頃は会えていればな」等と。


以上「原始人?或る無人島で【コズミックホラー小説】」。

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※本小説はフィクションであって、実際にある土地名や団体等とは一切関係ありません。

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深夜の笛の音』【春の幻想的風景?怪談・文庫本換算4P程】



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妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】

この話は、或る大学生が学祭で遭遇した、マネキンにまつわる怪奇的な話です。


(分量は文庫本換算2ページ程です。他の話は「本blog全記事の一覧」へ。)




第一章:ナンパの野心|妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】


俺は、多摩地方に有る大学の学生。

その日は、学祭だった。



俺は、この学祭でナンパをする。そんな野心に燃えていた。

クラスに仲の良い女の子はいるものの、恋愛対象ではない。どうせだ、好みの女の子と付き合ってやる。

俺は、あっちの校舎、こっちの広場、ナンパをさせていただくお相手を探しつつ、今、一つの校舎内にいた。



お!

ガラス扉の玄関を通じて、校舎前ベンチに、ボディラインを強調するセクシーな衣装に身を包んだ女の子の座っている後姿が、目に入った。

そそられるし、セクシー衣装の女の子をナンパするなんて、学祭らしくて良い。

さて、お顔を拝見させていただこう。俺は彼女へ向かって歩く。



校舎玄関を出る。校舎前ベンチまでもう少し。


その時。

彼女は立ち上がる。前方へと、こちらに振り返ることも無く歩き出す。

あ、待ってくれよ。俺は彼女を追いかけた。

追いかけつつ、ヒップラインを拝見できた。改めてエロいと思う。

俺は人でごった返している学祭中のキャンパスを、右に左に避けつつ、彼女を追う。


その内に、キャンパスの端の方に到達。この辺までくると、人も疎らだ。

彼女は、喫煙者のためのスペースを横切って、キャンパスの端でひっそりとする小さな棟に入っていった。


俺も、彼女に続いて校舎に入った。


第二章:人の疎らな寂しい校舎|妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】


俺が校舎に入った時、彼女は10m程先くらい、静かな長い廊下を歩いている。

彼女以外、見える範囲に人はいない。

この棟は、学祭と縁遠いようだ。盛り上がっている学祭の音楽等は、関係の無いことのように、壁やら窓越しに、遠くに聞こえる。彼女の歩く音や俺の歩く音の方が、反響して目立つ。



こんな、人の少ない棟でのナンパとなると、俺としては周囲の目が無いのでやりやすい。でも、彼女にとっては、知らない男と二人っきりで怖いかもしれない。



そんなことを考えながら歩いていると、彼女は廊下に並ぶドアの一つの前で立ち止まる。ドアに正対する。それから、ドアを押してって入っていった。

彼女の横顔は長い前髪で見えなかった。ドアノブに添えられた手は、手袋をしていた。


俺も、彼女から遅れること数秒後、ガチャンと閉まる音のした、そのドアの前に立った。

ドア越しには、部屋の中から物音はしない。

ドアを開けてみようか?でも、特定のサークルが借りている部屋だったら?更衣室だったら?

不安になりつつも、それは、張り紙もせず集会したり着替える方がいけないだろうから、すいませんとでも言って閉めればよいだろう、そう思い付いた。



俺は、ゆっくりとドアを開けた。ドアのきしむ音が、反響する。

そこは広い部屋だった。舞台に正対する何列もの長椅子や長机が、こちらに側面を向けている。

彼女は、長椅子や長机の間で、こちらに背を向けて、じっと立っていた。彼女以外に、俺を除いて誰もいない。


第三章:人のいない寂しい部屋で|妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】


俺は、半身を部屋に入れてドアを支える(このドアは手を離すと閉まる設計)。

さて、何と話しかけよう?相変わらず、彼女はじっとしている。



そうだ。

道に迷ったふりをして、彼女に声をかけようようと閃いた。

そう言えば、さっき、学祭のメイン広場で、水色なんとかというサークル名を見かけた。

それで彼女に、「あの~、こちら水色何とかってサークルの部屋でしょうか?」と尋ねた。大教室中から自分の声を投げかけられるように、反響する。



だが、彼女は返事をしない。微動だにせず、こちらに背を向けたまま、じっとしている。

聞こえていないわけないよな?そもそも何でずっと動かない?


第四章:妙な二人っきり|妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】


俺は、身体を部屋に入れてドアを手放し、彼女へ近づく。

歩いていると、後ろから大教室中へ、「ガチャリ」とドアの閉まる音が反響する。



「あの~」と言いながら、なおも、俺は彼女に近づいた。

それでも、彼女は微動だにしない。


俺はもう、彼女のすぐ後ろまで来た。もしかして、俺をからかっているのか?


「何で黙っているんですか?」と言いつつ、彼女の正面へと躍り出て、彼女の顔を覗き込んだ。


俺は、ことばを失った…。

それは、まぎれもなく、マネキンだった。

背筋から、身体を凍り付かせようとする冷たいものが広がる。それに耐えて体温と正気を保つことと、凍り付いて意識が飛ぶこととの狭間で、呼吸が上がって行った。



相変わらず、彼女は(マネキンは?)じっとしている。

何とか正気を保つ俺は、ゆっくりと後ずさりをはじめた。騒いだら、マネキンは目覚めてしまうような気もしたのだ。

そろりそろりと後ずさりを続けると、マネキンとの距離は少しずつ広がっていく。今のところ、マネキンは目覚めていない。


やがて、入口扉へと、たどり着いた。

そして、入口扉を、後ろ手に開けた。



廊下に足を踏み出す。

俺は、恐怖と焦りを爆発させた。


身体を反転させ、正面を向いた。そして、廊下を猛ダッシュした。長い廊下だと感じた。走りながら振り返って、マネキンが迫って来ていないか焦った。


猛ダッシュのまま棟玄関を出た。人の疎らなエリアを走り抜けた。喫煙スペースまで、たどり着いた。


喫煙スペースの者たちは、キャンパス内を猛ダッシュする俺を、不審な目で見てきた。

俺は、その目に、恐怖心も紛れるのだった。


以上「妙な二人っきり?或るマネキン【怖い話】」。

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◯初心者向け歴史
地球史最古!先カンブリア時代【コズミックホラーのきっかけに】

子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】

「ヒト」はかつて多種いた?人類史1【コズミックホラーのきっかけに】


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常識を心地よく崩すような書籍を3冊ご紹介。ホラーものではなくて、理科学ものやらノンフィクションものです。



植物と動物の大きな違いの一つ。自身で動くか動かないか。

自身で動かない利点とは?また、動かないことによる弱さとその対処法は?

また、植物の壮大な進化史にも触れられます。(初心者向け進化史記事「子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」も参考にしてみてください。)

学者さんによって書かれた書籍ですが、平易な文で読みやすい↓↓↓



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人間等の哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫等をまとめて、動物と呼びますね。

その中で、生物学的に最も繁栄しているとされるのが、昆虫。実に、全動物種の8割は昆虫。

昆虫の祖先によって、ヒトの祖先が滅ぼされていた可能性も有ったり?

外国人学者さんによって書かれた書籍ですが、訳も含めて平易な文で読みやすい↓↓↓



昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略【電子書籍】[ スコット・リチャード・ショー ](楽天Kobo電子書籍ストア)


犬は、人間にとってなじみ深い存在ですが、狼の一部から進化したそう。また、種類にもよるが、狼は、カラスと協力することも有るそう。

そんな狼とは、分かり合って一緒に暮らせると思うところ。でも、怖い一面も有って、実行しようとは思えませんよね。

世界には、それを実行した男もいるそう。

狼との距離が縮まるシーンは緊迫。他にさまざまシーンに飽きません↓↓↓(本記事のup時にkoboには有りませんでした。)



狼の群れと暮らした男 [ ショーン・エリス ]( 楽天ブックス)


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それ禁句!背筋凍る警備員』【怖い話・文庫本換算1P程】


なぜ金持ち?居酒屋の奇妙な客』【怖い話掌編・文庫本換算0.8P程】


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何度もあたるスクラッチ』【笑える?お金の怖い話・文庫本換算4P程】


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