「ヒト」はかつて多種いた?人類史【コズミックホラーのきっかけに】
今回は、
SFやコズミックホラー作品に触れるきっかけになればと、人類史を眺めます。
「
子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」では、進化のメカニズムや進化史等を見ました。
それで、或る霊長類種について。たくさんの個体がいるが、一部はヒト祖先となって、違う一部はチンパンジー祖先となったともされます。(或る霊長類とは何か、ヒト祖先とチンパンジー祖先以外に進化は無かったのかなどなど未解明とされています。)
その後、ヒト祖先は、進化を繰り返して種類を増やします。そんな中で、約20万年前に、現生人類種は登場したとされます。
また、現生人類種以外のヒトの種類は、現在に至るまでに、絶滅したとされます。
多種存在したヒトの種類の中には、どのようなヒトがいたのか?
現生人にはあり得ない怪力の種もいたり、現生人同様に芸術活動をしていたのではないかとされる種もいたり、小人だっていたり?さまざま説は有ります。
人類史は、コズミックホラーやSFの題材にもよく選ばれていますが、無理もないですね。
また、コズミックホラーでなくても、人類史という壮大なものに触れることで、日常を一時離れて、良い気分転換になるかもしれません。
第一章では、チンパンジー祖先と分岐して間もないとされる、最古のヒト祖先について。
第二章では、ヒト祖先の砂漠への進出?とその名残ともされる現生人の能力等。
(以下、続きの他記事になります。)
第三章では、ヒト祖先の進化史で、それまでとは革命的違いが見られた原人の登場。
第四章では、現生人種と併存した上に、深い関わりの有ったとされる旧人について。
分量は、各章で文庫本換算5P程です。目次をタップ・クリックでジャンプできるので、しおり代わりにどうぞ。他は「
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第一章:最古のヒト祖先?
或る霊長類が、一部はヒト祖先に、一部はチンパンジー祖先に進化をする。
そのメカニズムや流れは、さまざまに言われています。
今回は「
子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」で見た、突然変異と自然選択説に基づいて、あくまでも一説を見ていきます。
チンパンジー祖先と分岐をした最初のヒト祖先、違う言い方をするのなら、最古のヒト祖先を見ていきます。
①トゥーマイの年代・身体的特徴の一つ・生きた環境|第一章:最古のヒト祖先?
最古のヒトの祖先の候補とされる化石等はさまざまに発見されていますが、ここでは、サヘラントロプス属チャデンシス種(愛称はトゥーマイ)を挙げます。
年代測定の結果、現在から約700万年前に、生存していたとされます。
トゥーマイの化石は、全身骨格の化石までは発見されていませんが、頭蓋骨の化石は発見されています。
頭蓋骨の化石には、頭蓋骨と首の接続部の様子も見て取れます。それによって、チンパンジーとヒトとどちらに近いか、ざっくりいうならヒトっぽさは有るのか等も読み取れるのです。
頭蓋骨と首の接続部は、チンパンジー等四足歩行主流の類人猿は目の後ろにあって、現生人等二足歩行を主流とする場合は目の下にあります。トゥーマイの場合は、類人猿と現生人の、ちょうど間ぐらいの位置にあるのです。
このこと等から、トゥーマイは、類人猿と違ってヒトへの進化をはじめたとも言えるのです(全身骨格の発見されていないこと等から現生人程に二足歩行をしていたか分からない)。
トゥーマイの化石は、現在のアフリカ大陸中央部の北の辺りで発見されました。日本でよく見る世界地図で、アフリカ大陸を横に三等分した場合の真ん中の地域をさらに縦に三等分した場合の中央エリアの、その北の端辺りです。
現在の国名で言うなら、チャド共和国です。また、サハラ砂漠の一角です。
ただし、現在では砂漠の地域ですけど、トゥーマイの生きた時代は、現在とは違って砂漠ではなかったとされます。トゥーマイと同じ地層からワニ等の化石も発見されている等から、約700万年前当時は湿地地域であったとされます。
ただ、湿地地域ではあっても、徐々に森林面積は減少していた時期とされます。
(ヒマラヤやチベットの山々のどんどんと高くなっていったとされる年代や合わせて地球の大気の流れの関係等から、約900万年前以降のアフリカ大陸では、乾燥化と湿潤化を繰り返しつつ乾燥化は強まっていったとされます。)
以上のこと等から、トゥーマイの生きた環境とは、木々の茂る緑豊かな森林地域であるものの、時間の経つ程に徐々に木々は減少していたとする説もあります。
地学や歴史学を勉強していると思うのですが、よく太古の昔のことを復元できるよな、と。
小さな手掛かりを見つけて推測して、そんな研究者が同分野にも異分野にもたくさんいて、それぞれの発見をつなげて…。
その執念もまた怪奇とも浪漫ともいえる気もしますね。
②ヒト祖先とチンパンジー祖先の分岐を自然選択説で|第一章:最古のヒト祖先?
一方、現生チンパンジーの生息域は、アフリカ大陸の中でも木々の多い地域と一致する場合も多いです。
また、現生人は木の上での生活は行いまぜんど、チンパンジーは木の上での生活も行います。
また、ヒトもチンパンジーも属する霊長類には、木の上で生活する種類も多いです。
以上等の状況から、太古のある霊長類が、トゥーマイ等ヒト祖先とチンパンジー祖先に分岐した理由の一つや流れについて、一つの示唆を与えてくれます。
それは、太古のある霊長類の内で、木の上での生活をより得意とする者たちはチンパンジー祖先になって、木の上での生活よりも地上での生活を得意とする者或いは木の上での生活から追い出された者はヒトの祖先になったという説もあるのです。
上にトゥーマイ生きた当時の森林は減少していたと書きましたが、それを合わせると、木の上での生活を続けられるか木の上から追い出されるかの競争も、あったのかもしれませんね。
追い出されても追い出されなくても生きる道は有るなんて、あやふやかつ奇妙な出来事のきっかけで今日の現生人に至ったのかもしれませんね。
③二足歩行は有利?不利?|第一章:最古のヒト祖先?
次に、地上生活と二足歩行について見ていきます。
二足歩行は地上生活に有利なのか?
それは、有利な面も不利な面も有ります。でも、有利な面は活きたために、ヒトは繁栄したとも言えます。
次に、有利な面にクローズアップして見ていきます。
まず、攻撃力の弱い上に素早く逃げる能力も乏しい霊長類は、猛獣のいる地上で暮らすには、棒を振り回したり石を投げる等必要だったと考えられます。すると、手を自由に使える二足歩行というのは有利です。
また、二足立ちをしてより遠くを見通すことによって猛獣を早く発見できれば、逃げ延びられる可能性もアップします。
さらに、ものをたくさん運ぶのにも、二足歩行は空いた両腕に多くのものを抱えられるために、有利だったとっされます。
獲物なり木の実なりを一度にたくさん運べば、求愛や子育て等に有利だったとされます。
あちこち歩き回りつつ二足歩行で空いた両腕にいっぱい食べ物を抱えることは、まとまった食糧を幼児等にもたらすのに有利なのです。
そして、生きていくのに有利な能力なら、「
子孫が異種になる?生物進化史1【コズミックホラーのきっかけに】」で見たように、子孫に受け継がれる可能性も高まります。
それどころか、二足歩行をさらに強化するような進化をする子孫も登場するでしょう。
(以上は、あくまで一説です。ヒトとチンパンジーの分岐についても、二足歩行は何に有利で何に不利かについても、他のことにも、さまざま説は有ります。
また、トゥーマイこそが最古のヒト祖先だと決まったわけではありません。トゥーマイよりもさらに古いヒト祖先ではないかという化石も、発見されています。
それから、トゥーマイを、ヒトの祖先とチンパンジーの祖先が分岐進化する以前の生物種だと位置づける意見もあります。
今後の発掘結果でも、さまざまに覆る可能性はあります。
やはり、まだまだ謎の多い分野の一つです。)
④種類を増やすヒト祖先!砂漠に進出?|第一章:最古のヒト祖先?
さらに、ヒトの祖先の種類は、進化によって増えていきます。
上に、ヒマラヤやチベットの山々は高くなったためにアフリカの気候は変わったと書きましたが、もう一つ、特筆すべき地形変動と気候変動はあります。
約1000万年前~700万年前にかけて、アフリカ大陸東部に現在のグレート・リフト・バレーが形成されつつありました。
グレート・リフト・バレーは、現在のアフリカ大陸東寄りを南北に縦断する巨大な谷であって、谷の周囲には巨大な山や火山も見られます。地殻変動で、地盤の隆起と陥没が繰り返されて形成されたとされます。
現在のアフリカ大陸の衛星写真を見るとわかりますが、グレート・リフト・バレー東西で、環境は大きく違います。
西側は森林地帯、東側は草原だったり草木は生えても大木は育たない環境だったり砂漠であったりとなっています。
原因として、アフリカ大陸西側にある大西洋からは豊富な水蒸気が運ばれますが、湿った空気をグレート・リフト・バレー周辺の巨大な山々が遮って、東側には湿った空気が流れにくくなって、降水量少なくなったのです。
ヒト祖先が種類を増やす中で砂漠に生きる種類も登場したのか?砂漠ができたことで適応するように新たな種類のヒト祖先は登場したのか?それは分かりません。
ただ、砂漠にも進出したヒト祖先が登場します。次は、500万年前辺りに砂漠で生きたヒト祖先を見ていきます。
第二章:猿人の一部は砂漠へも?
①変わりゆくアフリカ大陸の環境|第二章:猿人の一部は砂漠へも?
上で、最古のヒト祖先の候補やそのヒト祖先は約700万年前のアフリカ大陸で登場したとされる説も有ることや約1000万年前から始まる環境の変動でアフリカ大陸は大木の森林が減少していること等を見ました。
その後、ヒト祖先は、進化を繰り返して種類を増やします。
今回は、その辺りからです。いわゆる猿人段階でもより古い時代のヒト祖先の歴史です。
ますは、アフリカ大陸の環境変動について。
猿人の生きた時代のみならず、今日のアフリカ大陸の環境の一つが、この時代に形成されていったとされます。
上に書いた前回の内容の補足と続きで、ヒマラヤやチベットの山々が高くなったことも一因に、アフリカの気候は変わります。
さらにもう一つ、アフリカ大陸の地形も変動していました。約1000万年前~700万年前にかけて、アフリカ大陸東部に、現在にも残るグレート・リフト・バレーが形成されつつありました。
グレート・リフト・バレーは、現在のアフリカ大陸の東寄りを南北に縦断する巨大な谷ですが、谷の周囲には巨大な山や火山も見られます。地盤隆起と陥没が繰り返されて、こうした谷や山は形成されたとされます。
現在のアフリカ大陸の衛星写真を見るとわかりますが、グレート・リフト・バレー東西で、環境は大きく違います。
グレート・リフト・バレー西側は、森林地帯。
東側は、草原だったり、草木は生えても大木は育たない環境だったり、砂漠であったりです。
アフリカ大陸西側にある大西洋からは豊富な水蒸気が運ばれますけど、この湿った空気をグレート・リフト・バレー周辺の巨大な山々が遮って、東側には湿った空気は流れにくく、降水量少なくなったのです。
草より低木、低木より高木と、大きな植物が育つには高気温とともに多くの水分が必要です。巨大高地の東側は、大木が生い茂るには厳しい環境なのです。
グレート・リフト・バレーが形成されたのは、上にも書いたように1000万年前~700万年前とされています。
おそらく、その辺りの時期に、森林茂る東側と森林の減少した西側とに、環境は変わったとされます。
②砂漠を生きたヒト祖先?|第二章:猿人の一部は砂漠へも?
そんなグレート・リフト・バレーの東側等を、アワシュ川は流れています。
アワシュ川付近で、約500~600万年前に生存していたとされる化石は発見されました。
生物学的には、アルディピテクス属カダッバ種に分類をされました。通称カダッバ猿人とも言います。
(上で見たトゥーマイが進化してカダッバ猿人となったか、トゥーマイの進化して登場した生物種のいくらか進化してカダッバ猿人となったのか等、トゥーマイとカダッバ猿人の関係はよくわかっていません。
また、カダッバ猿人は全身の骨格は発見されていません。トゥーマイも全身骨格は発見されておらず、二種の関係を探るのは難しいです。)
歴史の研究に謎はつきものですが、このアワシュ川というのは猿人の歴史を探る場合に、よく登場するので、学術書等に触れる時等に注目してみてください。
同じくアワシュ川付近で、約440万年前に生存していたとされるヒトの祖先の化石も発見されました。
生物学的には、アルディピテクス属ラミダス種と分類されました。通称、ラミダス猿人とも呼ばれます。
ラミダス猿人の化石はトゥーマイやカダッバ猿人とは違って、全身骨格をほぼ復元することに成功します。全身骨格を復元できた最古のヒトの祖先でもあるのです。
上のトゥーマイやカダッバ猿人も、「二足歩行を多用した可能性」や「木登りも多用していた可能性」等と、あやふやでした。
でも、全身骨格の復元に成功したとなれば、骨格構造や体格等から、どのような暮らしをしていたのか、はっきりとわかるものも増えるのです。
それで、ラミダス猿人の全身骨格を分析すると、チンパンジーのように木登りを得意とするものの、二足歩行も多用できるイメージです。
具体的には、チンパンジー等木の上で生活する霊長目同様に、足をグーにして物を握られる構造をしている一方、ナックル歩行の形跡はないのです。
(ナックル歩行とは?
例えば現生のチンパンジー。
現生のチンパンジーは、地上に降りて二足歩行をすることも多々ありますけど、基本は前足と言えばよいか手と言えばよいのかのを、四足歩行のように地面に着いて歩きます。そのため、前足の指というのか手というのかの指は、ナックル歩行の形跡があるのです。)
ラミダス猿人は、二足歩行も木登りも、どちらも行っていたのかもしれません。
よってラミダス猿人は、現生のヒトと現生のチンパンジーと両方の特徴を持っていると言えます。
また、現生人の能力で他の動物よりも優れた能力の一つが持久力ですが、その持久力は砂漠や草原や低木まばらな地域を歩いて回るのに適した進化をした結果ではないかという説もあります。
同じく、砂漠での生活のために保温効果の高い体毛を薄くした等の説もあります。
どちらもまだまだ、実証はされていませんけど。
人間は他の哺乳類と比べると体毛が薄いですが、その歴史を探ることは太古世界に触れるようで、浪漫とも怪奇とも言えそうです。
③革命的進化をしたヒト祖先の登場?|第二章:猿人の一部は砂漠へも?
ラミダス猿人の後も、分岐進化を繰り返して、ヒトの祖先の種類は増えます。
(多種ヒト祖先の化石の発掘されたこと等から言えますど、どの化石の種からどの化石の種に進化したのか等、進化の経路等はわかっていません。)
ただ、現在から約250万年前に登場するヒトの祖先までは、ほとんど全て、脳の大きさは現生チンパンジーの約500ccとはほぼ変わりません。
このようなヒトの祖先の化石は、まとめて「猿人」と呼ぶこともあります。生物学的な分類で言うなら、サヘラントロプス属、アルディピテクス属、オロリン属、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ケニアントロプス属とそれぞれの属の下の種が猿人にあたります。
(「猿人」というのは明確な定義はありません。研究者によって、猿人に入れる生物種の違う場合もあります。)。
また、猿人に分類される化石には、約130万年前に生存していたと推定されるものも見つかっています。
約700万年前のサヘラントロプス属チャデンシス種(トゥーマイ)にはじまって(今後の研究等でさらに遡る可能性もある)、ずいぶんと長い間地球上に存在していたようです。
ですが、多属多種いる猿人の内の一種が、約250万年前に特別な進化をします。
ついに、現生人と「属」まで同じ生物であるヒト属の生物が登場するのです。
次回「
唯一生き延びたヒト属?現生人種1【コズミックホラーのきっかけに】」では、最古級のヒト属生物種のこと、ヒト属の分岐進化や生活の様子等を眺めます。
以上「「ヒト」はかつて多種いた?人類史1【コズミックホラーのきっかけに】」。次回「
唯一生き延びたヒト属?現生人種1【コズミックホラーのきっかけに】」へ。
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